「CITY」のお客さんに訊きたかったこと

  • 2019.05.21 Tuesday
  • 15:45

「お芝居つまみ食い」その272

 

2019年5月18日〜26日

企画制作 公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団、合同会社マームとジプシー

作・演出 藤田貴大

『CITY』

彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

 

劇場に入ると、舞台に壁が在って、白く光っていた。舞台の床もツルツルした感じの物で覆われていて、やはり白っぽく光っていた。綺麗だった。

 

芝居が始まると、その壁が動き始めた。スーッ、スーッと袖に入っていったかと思うと、別のさまざまな大きさの壁が出てきて、たくさんのシーンを創り出す。

シーンといっても、その一つ一つが非常に短い。つぎからつぎにシーンが移り変わっていき、芝居が進行していく。

 

ただ、芝居の中で、何が、どのように進行していっているのかが、(私には)分からない。登場人物たちはマイクをつけてしゃべっているのだが、そのセリフが聞き取れない。(マイクをつけているのに聞き取れないことは、ほかの芝居でもよくある。マイクに通りやすい声の量とか、質の問題なのかもしれない。しかし舞台稽古をやっているのだろうから、聞き取れないセリフを言っている役者には、誰かが注意をして、直させているはずだとも思う。そういうチェックはしないのだろうか? それとも私の耳の問題?)

 

短いシーンで語られる、ただでさえ少ないセリフの一部が、なかなか聞き取れないとなると、当然のことながら、芝居がどういう方向に進んでいるのかが掴めなくなる。

だから、登場人物たちが争ったり、追いかけたり、追いかけられたり、ピストルの音がしたり、刃物で刺されたりしているのを見ていても、その意味が理解できない。

ただスピード感はあるし、白い壁、灰色の壁、透明な壁、いろいろな壁があいかわらず動き回るし、高い鉄骨の塔のような物も2つ登場してきて迫力もあるし、壁には映像が映し出されて美しかったりするので、眠りに落ちたりするヒマはない。

 

「施設」という単語が耳に入ってきた。主人公の青年と、その妹は、どうやら「施設」で育ったのであるらしい。しかし、そのことが、目の前で展開していることと、どう繋がっているのかが分からない。分からないままに、最後、青年は刺され、倒れた青年を妹が助け起こそうとする(?)ところで、お芝居は終わった(?)らしい。

 

私が驚いたのは、芝居が終わったあとの観客の反応だった。けっこう熱い拍手を送っていたし、中にはスタンディング・オベーションをしている人たちもいた。

……そういう反応を示すということは、この『CITY』の何かに感じるものがあったということだろう。熱い拍手をしたり、立ち上がってまで拍手をしたりする、その理由を、私は心底知りたいと思った。教えてほしいと思った。

 

観劇後にチラシをよく読んでみた。そこには、

「藤田貴大の約1年ぶりの『新作』は、都市を舞台に“ヒーロー”を描く。

 正義とは? 悪とは? 現代をあぶり出す渾身の一作――。」

というコピーがあった。

……「そうだったのか!」と、これらの言葉と、実際の舞台とが、しっくりと繋がって、はたと手を打てればよかったのだけれど、残念ながら、そうはいかなかった。

 

 

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  • 2019.07.23 Tuesday
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